【ネタバレ注意】「Mr.Children tour 2024 miss you arena tour」に行ってきた


※具体的な曲名には触れていませんが演出・バンドメンバーについて記載しております(所詮言葉では伝わらないと思いますが)。閲覧にご注意ください。

2024/8/25(sun)
宮城セキスイハイムスーパーアリーナ
会場:15:00 開演:16:00 終演: 18:30

座席

座席はZブロック付近。

※以下、曖昧な記憶や憶測に基づく内容を記載します。実際の運営方針とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

座席について嬉しかったことがある。
チケット予約の際、要望を伝える欄があった(確かそうだったと記憶している)ので、「一人で静かに観たいので後ろの席の方で構いません」という要望を出してみた。
ミスチルのライブならば、どの角度、どの距離から観ても楽しめると確信しているし、ましてや一人で観に行くので、隣の席のお客さんがカップルだったりすると、気まずいからだ。
当日、実際に割り振られたZブロックに着席してみると、周囲の他のお客さん同士の会話が聞こえないことに気づいた。このZブロックは、「お一人様ブロック」だったのではないだろうか。

こんな記事を思い出した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6bd6cd0f5e5a0b551333e243e81866792bdb4586
コロナ以降、ライブを静かに観たいというニーズも高まってきており、主催者の方々が僕のこの超個人的なニーズを汲み取ってくれたのかなと感心した。
おかげで一人でも楽しく観覧することができた。

「誰に感謝をしていいのかはわからないけど」
ありがとうございます。

バンド編成

ボーカル・ギター
 櫻井和寿 
エレキギター・アコースティックギター
 田原健一 
ベース
 中川敬輔 
ドラムス
 鈴木英哉 
キーボード・コーラス
 Sunny 

バンド編成は上記の5名のみだった。以前のツアーのようにキーボードが増えたり、アコーディオンが加わったりということはなく、2015年の「Refrection」以降のレギュラーメンバーによる構成。
曲によっては、櫻井さんが歌い、Sunnyさんがキーボード、Jenさんがドラムという編成にブラスのサンプラー音源が加わったり、曲の世界観を再現するためにメンバーが入れ替わったりするのはこれまでのツアーでも見られたことである。
変わったことといえば、ナカケーさんがウッドベースをプレイする曲があったことや、ゴスペル調のあの曲を、田原さんとナカケーさんが打楽器(何を叩いていたかは覚えてないが)を担当し、櫻井さんのアコギと歌と、アコースティックに聴かせる編成があったことが印象に残っている。

演出

画像は開演前のステージ(ちょっと暗すぎるか・・・)
今ツアーでは以前の公演に見られたような花道や、センターステージはない。
公演の最中はステージ後方に巨大スクリーン、ステージ上部に映像を立体的に見せる仕掛けがあった。これは「重力と呼吸」の時のアイデアを流用したものと思われる。また、ステージの両端から、「LEDサイネージ」を誂えたポップアップ型のスクリーンがステージを上下左右にスライドし、映像を動かして見せる演出となっている。
僕が記憶する限り、LEDサイネージを初めて見たのは、2015年、U2の「Innocence + Experience」のブルーレイで、会場のど真ん中に巨大なトンネル型のLEDサイネージが設置され、メンバーがその中に入って映像と共に演奏する演出に衝撃を受けたものであるが、今回のミスチルの公演でも、LEDサイネージが時にメンバーを隠すようにスライドするなど、非日常的な空間を生み出していた。
その光景を見ると同時に僕の頭の中をよぎったのは、檻の中で歌うAdoだった(余談)。
LEDサイネージは、今や演劇やコンサートなどで採用され、そこまで珍しいものではないのであろうが、2015年に初めて見て心が躍った演出が約10年の時を経て、地元宮城でも見られるようになったのは感慨深い。

セットリスト

開演からしばらくは、先行アルバム「miss you」の世界観、あるいは主張をセットリストでどう表現するのか注目して聴いていた。Mr.Childrenは、アルバムとライブのセットで、一連の表現を完成させるバンドだと思っているが、今回はそこまでコンセプチュアルな内容ではないように感じた。率直に抱いた感想としては、2013年の「[(an imitation) blood orange]Tour」に近い感じがした。
コロナ禍で思い通りにライブ活動ができなかった期間を経て、久々の観衆との再会を純粋に喜びあいたい気持ちを感じる選曲だったと思う。

シングル曲は少なめの構成。前回の「半世紀のエントランス」が「アベンジャーズ」だったとすると、今回は脇役を集めた「バイプレイヤーズ」といったところだろうか(例え伝わる?)。要所要所で確かにシングル曲は演奏したけれども、前編通して聴かせどころと位置付けていた曲(煽りのMCの後にやる曲)が、なんとアルバムやカップリング曲だった。

「半世紀のエントランス」のような周年の公演だと、ヒット曲連発、イントロ流れるだけでどっかんどっかん、コアなファンに向けてというよりはライトなリスナーも取り囲むような選曲になりがちだが、今回はピンポイントに、「1999年〜2020年にミスチルを熱心に聴いていた人たち」にターゲットを絞っている。なかなかライブで演奏する機会も少ない曲だったので、その曲が流れていた時代や景色がストレートに蘇ってきて、終始、時間旅行を楽しんだ気分になったのは、僕だけではないはずである。

セキスイハイムスーパーアリーナの収容人数は約7,000席。演奏された曲にまつわる7,000通りの景色が、その時、来場者を包み込んだことと思う。

「Bank Band」の時から思っていたことであるが、セットリストに櫻井さんの意見が反映されているのだとしたら、櫻井さんはクラブDJをやっても成功する人だと思う。それほどに「意外性」とリスナーの「深層ニーズ」を押さえた選曲センスだと思う。

パフォーマンス

実に、ほぼ休みなしで2時間半の間、全力の歌唱と演奏を見せてくれた。
50代半ばという年齢で、2時間半である。
サッカーはハーフタイムありで90分、バスケットボールは4Qで合計40分。
いずれも現役選手の年齢は20代から30代である。
しつこいようだが、50代半ばの人間が2時間半(150分)の間、全力で歌い、踊り、ドラムを叩き(時に変顔を披露し)、ギター、ベースを弾く光景は、アスリートを超えて、「超人的」である。
MCでは「これからどうなるかはわからないが、50周年を目指します」と言っていた。
あの日、僕らが目にした光景は、当たり前のものだと思ってはいけない。ミスチルという「奇跡」を見せてもらっているのだ。

最後に

ライブ直後、「明日への活力が貰えた」とか、「最高でした」とか、「泣いた」といった感想がSNSを賑わせた。本当にそれ。音楽の感想はそれでいい。その言葉しか出てこない。
自分なりに「活力を貰えた」というのはもっと具体的にどういうことなのかなということを考えてみると、自分の日常生活で抱えるモヤモヤを櫻井さんが代弁してくれたことや、ある曲の前向きな歌詞を、さも自分の言葉であるかのように声に出して歌ったこと(これ結構大事。気持ちが前向きになる)や、繰り返すようだが長時間奇跡的なパフォーマンスを繰り出す50代の姿である。
個人的には、人生史上、最も音楽が沁みた瞬間だったし、心がデトックスできた時間だった。
ツアーはまだ中盤。これから参加する人、特にあまりミスチルを知らない人を誘ってしまった人は、公演後の復習とフォローをしっかりしてあげてください。

久しぶりにこれが見たくなったので、これから見て当時の感動に浸るとする。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です