BUMP OF CHICKEN/ユグドラシル

CD

購入のきっかけ

2004年8月にリリースされた、BUMP OF CHICKENの出世作「jupiter」に続く4thアルバム。もう20年以上も経っているのか・・・。
僕としてはバンプのアルバムの中で「orbital period」に続いて2番目に好きなアルバムだが、再生回数とか、思い出とのリンクはこの「ユグドラシル」の方が強い。人生で最も音楽を聴いていた時期で、「音楽こそが真理」と信じてやまなかった時期だったからかもしれない。
当時は、CD-Rに音質ごとコピーできてしまうというところまで、安く音楽が聴ける技術が発達してきた時期だった。とはいえ、今ほど音楽配信は発達していなかったため、CDを買って聴くという手段がまだ優勢だった。まだ名盤が生まれやすい時代だったかもしれない。その中で僕は、このアルバムを買うという選択をした。この時のバンプはすでにJ-POPをリードする存在になっており、そんなバンプの新作とあれば購入必須だと思ったのだろう。
ちなみに、バンプが一部のロックファンに認知されるようになったアルバム「THE LIVING DEAD」は買っていない。自分の音楽遍歴を振り返ると、売れてるものしか買わないという悪い癖があるなと今考えてみるとある。

バンドの音楽を決定づける藤原基央の声

BUMP OF CHICKENはもともと荒削りな演奏をするロックバンドだと思っていた。
コード進行もそれほど複雑ではなく、当時僕は20代前半。同年代で周りでコピーバンドをする人たちも結構いた。演奏は比較的真似しやすいかもしれないが、バンプの音楽の世界観を決定づけているのは藤原基央の声だろう。これだけはどんな演奏の上手いコピーバンドでも真似できない。
当然、藤原基央のヴォーカルでなければBUMP OF CHICKENの音楽にならない。

ユグドラシルの特徴

そんな荒削りだったデビュー作と出世作を経て、この「ユグドラシル」は、アルバムのオープニングとエンディングにしっかりとイントロとアウトロを収録し、アーティスティックなコンセプトアルバムのような完成度になっている。北欧神話に影響を受けていたらしい。

コンセプトアルバムの火が消え掛かっていた当時としては珍しい曲順と構成になっているので、全曲通して聞き応えのある内容となっているが、時間を経て、今聴いてもいいと思える曲をピックアップして語っていきたいと思う。

今、聴いてもカッコイイ2曲

●乗車権
言わなくてもわかると思うが「乗車券」の誤植ではない。バンプにとっての音楽界でのポジションのことを言っているのか、あるいは同年代の社会におけるサバイブの仕方を言っているのか、限りのあるポジション(席)に入る葛藤を、バスの乗車率と空席になぞらえて描いている歌詞は秀逸。
当時、電車・地下鉄を乗り継いで片道1時間半もかけて通学していた僕にとって、「おいそこの空席にカバン置いてんじゃねぇ」という歌詞にはいたく共感した。

●車輪の唄
今、聴いてみると年齢を重ねたせいなのか、歌詞よりも音の方を重視しているなと感じる。
その意味でこの曲はサウンドの面でも(イントロのマンドリンの音だったり)今聴いてもいい曲だなぁと思う。
アレンジはさることながら、サウンドをよく聴かせているのは歌詞かもしれない。
歌詞の内容は、どうやら別れの歌っぽいが、それが男女なのか、友達なのか、恋人なのかは書いていない。書いてあることは具体的な描写を切り取っているものの、細かいストーリーの説明がなく、正しい情景を思い浮かべることができない歌詞だ。シーンの切り取り方は「天体観測」に似ているが、「天体観測」よりも抽象度が高い。
でも、逆にこれがいい。情景は人それぞれの解釈に委ねられていて、歌詞を聴かせすぎることがないから、音楽に集中できる。僕は長年、音楽を聴いてきた自負があるが、時代を超えて長く聴かれる曲はこういう曲が多い。

AIに聞く「ユグドラシル」の評価

僕的には次世代にも持っていきたい名盤だと思うが、ここでAIの意見も聞いてみたい。返答の一部を抜粋する。

【質問】
BUMP OF CHICKENのアルバム「ユグドラシル」を紹介してください。

【返答】(一部抜粋)
ユグドラシル」は、彼らの代表作の一つとして非常に高く評価されている作品です。
🗣️ ファン・批評家からの評価
・「名盤」として語り継がれ、2020年代でも高い人気を維持。
・多くのファンにとって「BUMPらしさ」の原点とも言えるアルバム。
・ロックファンのみならず、文学好きや詩を愛する人にも刺さる作品。

だそうだ。やはり「ユグドラシル」は、時代を越える力を秘めた名作だと僕は思っているが、CDの市場価値はというと・・・。
某フリマサイトで査定したところ、800円の値がついた・・・。

僕らの青春、安すぎるよ。



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