Mr.Children/足音~Be Strong

CD

「足音~Be Strong」は、2014年11月19日にリリースされたMr.Childrenのシングル。

表題曲「足音 〜Be Strong」はドラマ「信長協奏曲」の主題歌に、「放たれる」は映画「青天の霹靂」の主題歌となり、2014年後半の話題となった2曲が収録されている。

また、「足音 〜Be Strong」はデビュー以来、長年続いてきた小林武史によるプロデュースが離れ、初のセルフプロデュースによる楽曲となっている。カップリング曲「放たれる」と「Melody」はプロデューサーとして小林武史がクレジットされているため、Mr.Childrenとしては過渡期の真っ最中だった時期の3曲がこの一枚に詰まっていたと言える。

久しぶりにCDを聴いてみた。リリースから12年も経って今、気づいた。3曲目の「Melody」が凄い。

この曲、発売当時はあまり好きではなかった。甘い曲と明るく楽しげなアレンジ。「はいはい、ライトな層を狙った定番のPOP曲ね」とタカをくくっていた。当時は忙しくて歌詞をちゃんと読んでいなかったし、「結局音楽は音が重要だ。」というこだわりがあったからだ。

アレンジは、小林武史によるキーボード、山本拓夫らのブラス隊、四家卯大ストリングスと、2000年代のミスチル御用達のフルメンバーで、一聴した時の印象は、明るくPOPでキラキラした、多幸感に溢れている。

しかし、歌詞はというと、歌詞の中の主人公の冴えない現実が、何気ない日常の光景を見ながら想像の中だけで彩っていく様が描写されている。キラキラしたアレンジとは逆の世界観だ。

Mr.Childrenは、「暗い歌詞に明るいメロディとアレンジ」あるいはその逆の「明るい歌詞で暗いメロディとアレンジ」の楽曲を制作することによって、リスナーにどんな音楽として響くかということを検証しているという。これは、ギルバート・オサリバン「アローン・アゲイン」の、穏やかでリズミカルな曲調に対して「近くの塔に登って 身を投げてやろう」というドス黒い歌詞を充てたことに着想を得ているそうだ。その最たる例としては、1994年にリリースされたアルバム「Atomic Heart」のエンディングとして収録された「Over」がある。ファンファーレのような祝祭感のあるメロディに、失恋の後悔の歌詞が乗るというものである。

この効果によって、「Melody」では、言葉はネガティブだけど、なぜか前向きな響きを強い説得力を持ってリスナーの耳に響かせている。歌詞では「なんかつまんねぇな。楽しいことないかな」と言っているが、曲を掛け合わせることによって、「冴えない現実から楽しさを見つけていこう」という響きに聴こえてくる。「いい事ばかりではないさ さぁ次のドアをノックしよう」を、言葉と曲で表現しているのだ。

Mr.Childrenの音楽にはいつも「光」と「闇」がある。この「光」と「闇」があるからこそ、30年もの長い間、飽きることなく聴き続けられている。僕だけでなく、きっと多くのファンがそうなのだろう。

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