NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS


2025年のオアシス再結成というビッグイベントを音楽ファンとして迎え入れるにあたり、ノエル・ギャラガーのソロ活動について軽くおさらいしておきたい。
なぜなら、2009年のオアシス脱退以降、バンド編成では成しえなかったノエルの音楽的実験がこの期間に集約されているからだ。
いわば、2009年から16年もの修行を経てオアシスに戻るわけである。
そのとき、オアシスにどんな化学反応が生まれるのか、想像するだけでも楽しくなってくる。
再結成するオアシスの音楽をより楽しめるようにするためには、この修行期間について振り返っておく必要がある。

ノエル・ギャラガーは、2009年にオアシスを脱退。2011年に「NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS」をリリース。以降、2015年・2017年・2023年にアルバムをリリースしている。

今回取り上げる「NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS」は、オアシス解散の2年後、ノエルが満を持して放ったソロ初アルバムである。
聴いてみると、各パートの音が繊細に鳴り、オアシス時代よりも音がいい。むしろオアシスより好きかもしれない、というのが感想だ。
クレジットを見ると、ヴォーカル・ギター・ベース・バンジョー・キーボード・コーラスと、多岐にわたるパートをノエルがこなしている。オアシスの司令塔が現在進行形で音にこだわり、さらに進化している様が伺えた。
日本盤にはノエルの本作について語られたインタビュー冊子が付いていて、オアシス時代にはできなかったこと、すなわち一つのコンセプト(物語性)を持って一貫したアルバム制作を意識していたことが語られている。

このアルバムには、例えば「Don’t look back in anger」のような、ライブでみんなで歌えるような名曲はない(残念ながらというべきか・・・)。
それはおそらく、2011年当時にはすでに始まっていた音楽視聴の手段がデータに移行したことによるCDのセールスの伸び悩みや、そもそもオアシスがビッグネーム過ぎたことによるソロ活動へのパワーダウン感などが背景にあるかもしれない。
2025年現在、リリースから14年経った今、あえてこのアルバムを思い出して聴き返そうとは思わないし、もし聴き返すとするならば、忙しい僕らはオアシスの音源を選ぶというのが現実だろう。

それでもこのアルバムは、ノエルがバンドがなくなった状況と向き合い、持てる才能と音楽への情熱が注ぎ込まれた秀作だと今、聴いてみて思う。

ソロ活動で音に対する探究を経てノエルがオアシスに戻る。
もしオアシスとして新しいリリースがあるのだとしたら、どんな化学反応を起こすのか注目したい。


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