【デビュー30周年】ホフディランのオリジナルアルバム5選

CD

偶然知ったが、ホフディランは2026年、デビュー30周年なのだそうだ。

この記事を書くためにホフディランのオリジナルアルバムを全作聴いた。すごく楽しかった。

ポップな音作りにか細いボーカル、ワタナベイビーと小宮山雄飛のメンバー2人の強烈な個性がぶつかり合いながらも、見事に調和している。

ホフディランは1990年代後半に「遅れてきた渋谷系」だと思っている。
近年、クラブシーンでシティポップが再評価された事例があるぐらいだから、今後、おしゃれな渋谷系の再評価があってもおかしくない。そして、その渋谷系の一角であるホフディランも再評価されてほしい。こんなにポップなのにカラオケで歌って友達と一緒に盛り上がれる歌があまりないし、満足に評価されていないことに僕は不満足である。

改めてホフディランのオリジナルアルバム全作(ベスト盤・ライブ盤は除く)を聴き返し、僕が思うBEST5にまとめた。これからホフディランを聴くという人も、古くからのファンも、一緒に楽しんでもらえる内容になればと思う。

筆者の「ホフディラン度」

・1996年、「こち亀」のエンディングテーマ「スマイル」で存在を認知。
・1998年、シングル「欲望」にハマる。
・2002年、シングル「MY THING」で一気に熱が上がる。
・2007年の再結成時はなぜかリアルタイムで追っていない。
・2017年のアルバム「帰ってきたホフディラン」と2022年のアルバム「Island CD」は購入している。

総じて僕の「ホフディラン度」は、熱心なファンではないが、要所要所で聴いているライトなファンだ。

レビュー対象

1996年のアルバム「多摩川レコード」から2022年のアルバム「Island CD」まで(ベストアルバム・ライブアルバムは除く)

ホフディラン作品の魅力

・ポップなソングライティング力
 ワタナベイビーの突飛な発想から紡ぎ出される歌詞とわかりやすいメロディ。小宮山雄飛のメロディアスな作曲が特徴的。

・サウンドへのこだわり
 ドラム・ベース・ギター・キーボードの音にとどまらず、リズムマシンやハンドクラップ、テープの回転数をいじった不思議なアレンジに、空間系・歪み系エフェクターを多用したギターなどが耳を楽しませてくれる。音を出すアイデアに貪欲だ。

・アルバムの構成力
 曲間がシームレスにつながり、アルバム全体にストーリー性を持たせていて、最初から最後まで飽きさせない工夫が施されている。

第5位 Washington,C.D. 

「GOOD! 」「恋はいつも幻のように」 「SUPER DRY」など、ベストアルバムにも収録されている楽曲の他、1曲1曲が力強いナンバーが収録されている。
「Baby’s Song」ではデビューシングル「スマイル」で植え付けられたホフディランのイメージを打ち砕くようなロックギターがなったかと思えばその反面、「恋はいつも幻のように」ではメロウなスライドギターと、ギターサウンドが冴え渡っている。ホフディランのポップ美学が溢れ出る1枚。

第4位 多摩川レコード

ホフディランのデビューアルバム。世間に広く認知されたデビューシングル「スマイル」が収録されている。
リズムマシン・ハンドクラップ・地声・逆再生・メロトロン・カウベル・空間系・歪み系エフェクターを豊富に多用した多彩なサウンド。デビュー作にして「これぞホフディラン」と言えるサイケデリックロックのコンセプトアルバムとして完成されている。

第3位 31ST CENTURY ROCKS

ビートルズの中期以降を彷彿とさせるサイケデリックロックが展開されている。アルバムの設定はタイトルの通り、「31世紀のロック」を想定して制作されているようだ。それだけに未来感がある。本当にこのサウンドが31世紀に鳴っているかは分かりようもない。
かつてエレクトリック・ライト・オーケストラで、1980年代に100年後の未来をイメージしたアルバムがあったように、このアルバムも遥か未来まで聴かれ、想像と現実のズレが楽しめるほどの名盤になってほしい。

第2位 ホフディラン

デビュー3年目にして満を持して自らのユニット名をタイトルにした3rdアルバム。故に自信作であること間違いなし。
オープニング「かなしみ」のイントロで鳴るギターリフで心を鷲掴みにされる。
「かなしみ」の勢いを保ったまま2曲目「僕がおこられた」へのつながりが良い。
「欲望」は世間的にインパクトが強すぎたデビュー曲「スマイル」に次ぐ名曲。
冒頭の「遅れてきた渋谷系」という感想はこのアルバムを聴いて強くそう感じた。

第1位 PSYCHO POP KILLER BEE

活動休止前最後のオリジナルアルバム。
オープニング「ODYSSEY~3001 TAMAGAWAism~」が緩やかに始まり、2曲目「New Style Sky」からの疾走感で一気に7曲目の「MY THING」まで聴けてしまう。
このアルバムはレコードの構成を意識しているのか、7曲目の「MY THING」で一つのアルバムが終わったかのように錯覚してしまうが、8曲目からまた別のオープニングが始まり、アルバム全体のエンディングに向かっていくという、A面とB面構成になっており、ビートルズの「アビー・ロード」を聴いているようだ。コンセプトアルバムとしての完成度が非常に高い。
そりゃ活動休止するわ。

まとめ

以上、ホフディランのオリジナルアルバムを全作聴き、好きなアルバムを5つに絞った。
結果、初期の5作に絞られる形となった。
初期のホフディランは、前述した通り、アルバムの構成に強いこだわりが感じられ、ビートルズの「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」を様々な角度から解釈し、表現してきたような初期の5作だった。

ところが、残念なことにホフディランのアルバム構成力という羽根は時代とともにもがれていってしまう。音楽の視聴手段がフィジカルメディアから配信に変わっていき、アルバム単位ではなく曲単位でシャッフルして聴く方向にシフトしていったことにより、アルバムの曲間がシームレスに繋がること自体が邪魔になってしまい、求められなくなっていった。

何度かの活動再開以後の単曲にも「夜を超えて」など、好きな曲はあるが、今回はあくまでアルバム単位で見た5選となるため、コンセプトアルバムとして楽しく聴ける初期の5作となった。

時代が変われど、やっぱり僕は芸術作品として成立しているコンセプトアルバムが好きだ。制作する側も1曲でどれほどリスナーのドーパミンを分泌させるかを考えざるを得ない時代であることも理解している。それでもたまにこんなことをふと考えることがある。

「この状況、ビートルズだったらどうしていただろう」と。

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