暑い。
この日、仙台は37度まで気温が上昇した。
ここ数日、涼しい日が続いており、近年稀に見るほどの「普通の夏」で終わっていくのかと思ったが、見通しが甘かったようだ。
エントランスでチケットをもぎってもらい、フライヤーを受け取った。
中には、ユニコーンのニューアルバムリリース、ABEDON AND THE RINGSIDE 2026ツアーと、今年のOTもいろんなイベントが同時並行で発生している事が伺えるフライヤーだ。その合間を縫っての振替公演である。働く男の2026年も慌ただしい。こんなに働く61歳もそうそういないだろう。
何考えてんだあれ。
オープニングの何曲か披露した後のMCで、
「ツアーが続いてんのにDVDのプロモーションがもう流れている。しかも全曲バラしている。何考えてんだあれ。」
という場面があった。これのことである。
https://www.youtube.com/watch?v=HKcZOfKEW_Q&list=RDHKcZOfKEW_Q&start_radio=1
公演の約1週間前に公開された情報だ。これには僕も「え、どういうこと?」と思ったし、公演が終わるまでは動画を見ないようにしていた。
このMCでこちら側のモヤモヤをOTが代弁してくれたのでスッキリした。
湊さんのドラム
今回のツアーのサウンドの聴かせどころの一つが、湊さんのドラムであることに間違いはないだろう。
まるでミスチルのジェンを彷彿とさせるようなフィルが多かった。
なんだかんだでもう、このバンドを20年以上追いかけているし、奥田民生に帯同するドラマーはこれまでも楽曲のビートを刻む役割に徹するイメージが強かったが、老舗のロックバンドながら新しい味付けへのトライを感じた、素晴らしいドラムだった。
聴けてよかった曲
・ライオンはトラより美しい
・何と言う
・サウンド・オブ・ミュージック
この3曲はいずれもアルバム『LION』収録の曲。
まだ希望に満ちた世間知らずの若者であったあの頃を思い出す。
・MTRY
曲に入る前に渋いジャムセッションが展開された。
本編で一番盛り上がった曲。
・意外な言葉
文字通り「意外な」選曲だった。
このライブで最もOTの歌唱力を感じた曲だった。
この曲もそろそろ30周年か。
後半に向かって徐々にピークを作っていくセットリストがOTのライブの特徴だ。
今回のセットリストで注目したいのは、「音楽について歌った曲が多かったこと」かな、と思う。
2025年の奥田民生は還暦イヤーの真っ最中、Ooochie Koochieの活動や名盤ライブなどで、祝祭ムード一色だったが、それが明けた2026年の自身のツアーで組み立てたセットリストから、「今後も普通に音楽をやっていきます」という決意表明を感じた。
「MTRY」の「バンドは今夜もここでやってるぜ」の歌詞が好きだ。
奥田民生のライブは素晴らしき「通常回」だと思っている。「祭り」という感じではない。毎年何らかの形態で全国を回ってくれるから、僕はテーマパークに出かけるような感覚で奥田民生のライブに足を運ぶ。
でも、今年はその「当たり前」が珍しく覆った。あの鉄人、奥田民生がツアー日程を飛ばしてしまったのである。「普通に音楽をやること」もそうそう並大抵のことではなくなってきている。
かなりイレギュラーな2026年になってしまったことが想像できるがそれでも約束通り振替公演で「通常営業」くれた。これには感心させられる。
そしてこの「通常回」が今後もできるだけ長く続くように、と願った夜だった。


コメント